「国民健康保険=医療費が3割負担になるだけ」
そう思っている人も多いかもしれません。
しかし実は、他にもいろいろな特典があります。
せっかく高い保険料を払っているのですから、最大限利用して節約しましょう。
出産育児一時金
国保に加入している人が出産すると、出産育児一時金がもらえます。
相場は42万円です。
期限
出産育児一時金を受ける権利は、出産日の翌日から2年を経過すると時効消滅します。
直接支払制度がある
直接支払制度が特長的です。
自治体が直接医療機関などに支払う制度。
手元に現金がなくても安心して出産できるようにするため、出産費用に出産育児一時金を充てるものです。
これによって医療機関などの窓口での支払いが、出産費用から42万円を差し引いた金額で済みます。
申請
直接支払制度を利用する場合、出産のために入院した医療機関等で「直接支払に合意する文書」に署名することで完了します。
直接支払いを希望しない、医療機関等が直接支払の対象医療機関等でない場合(海外での出産も含む)は、加入者(世帯主等)が退院時に出産費請求額全額を医療機関等窓口で支払い、後に出産育児一時金を役所に申請します。
葬祭費・埋葬料
国民健康保険加入者が亡くなった場合、葬祭費がもらえます。
相場は1~7万円ほど。
葬儀を行った者(喪主)に支給されます。
文字からもわかるように、葬祭に対しての支給なので直葬 ・火葬の場合はもらえない場合もあります。
※自治体によって異なります
ちなみに、国民健康保険以外の健康保険に加入していた場合、埋葬料(埋葬費)がもらえます(上限5万円)。
申請が必要:2年以内
告別式などの葬祭を行った日の翌日から2年以内に役所に申請が必要です。
亡くなった日からではありません。
かなり長いですが、国保の資格喪失届の提出期限は亡くなった日から14日以内なので、タイミングが合えば喪失届と一緒に申請しましょう。
保養施設の宿泊費補助
指定の宿(保養施設)に宿泊するときに助成金をもらえます。
例:年度内に1泊まで大人1人2,000円など
太っ腹な自治体なら3,000円とかもありますし、年度内2泊までのところもあったりします。逆に、終了した自治体もあります。
問題は自治体によって対象保養施設の数に差があることです。
多くの宿が指定保養施設になっているところもあれば、1つしかないところも。
指定保養施設は、休暇村やかんぽの宿が多いです。
旅行に行こうと思ってちょうどよくそこに泊まる可能性は低いかもしれませんが、とりあえず調べておきましょう。
申請が必要
役所での申請が必要です。
申請して助成券をもらい、それを宿で見せると助成分割引してもらえる形です。
自治体によっては、直接予約のみで、旅行サイト経由はNGなところもあるので注意しましょう。
がん検診、健康診断
がん検診や健康診断を無料、もしくは格安で受けられる場合があります。
対象が、40歳以上や、35、40、45歳の年など、年齢で決まっている場合が多いので、受けられる年を確認しておきましょう。
さいごに
国保の特典は、利用できる機会は少ないかもしれませんが、出産育児一時金や葬祭費は大きいです。
必ず申請して支給を受けましょう。
がん検診や健康診断もありがたいですね。
もらえる金額や条件などは自治体により異なる場合があります。
お住まいの自治体のホームページ等で確認して利用しましょう。