国民年金保険料は、会社勤めの方は自動で引かれますが、自営業・フリーランスの方は自分で払う必要があります。毎年値上げされることが決まっていて、2016年時点では1ヶ月16,260円です。
一見節約できそうにない年金保険料ですが、実は工夫すれば安くすることができます。
やり方によっては年に9,000円以上も節約できるので、大きな節約ポイントです。
ここでは、国民年金保険料を割引・節約して納付する方法をまとめています。
もくじ
前納割引制度(前払い)を利用
国民年金保険料を割引するためには、前納する方法が一般的です。
前納とは、いわゆる先払い・まとめ払いです。
半年分とか1年分を一気に納付することで割引を受けられます。
割引額は年率4%で複利計算した額なので、期間が長いほど割引額も大きくなります。
口座振替・クレジットカード・現金による支払い方法があり、選べる前納期間が異なります。
口座振替で前納
前納で最もお得なのが口座振替による前納です。
前納期間は『2年・1年・6ヶ月・早割・毎月』から選べます。
2年・1年・6ヶ月・早割が前納にあたり、割引されます。
早割(当月末振替)は、通常翌月末払いの当月分を当月末に払う方法で、割引額は最も小さいです(年600円)。
毎月は前納ではないので割引はありません。
期間が長いほど割引額も大きく、2年前納なら約15,500円(1年換算で7,800円くらい)も安くなるので非常にお得です。
例えば平成28年+29年分では、支払額は377,310円で15,690円も割引に。
まとめて払えるなら、これを利用するのが最も節約できます。
振替方法 | 納付額 | 割引額 | 振替日 |
---|---|---|---|
2年前納 | 377,310円 | 15,690円 | 5月2日 |
1年前納 | 191,030円 | 4,090円 | 5月2日 |
6ヶ月前納 | 96,450円 | 1,110円 | 5月2日(上期) 10月31日(下期) |
早割 | 16,210円 | 50円 | 毎月月末 |
ただ、2年前納は『一気に40万弱引き落とされる』『前納した期間は全額免除などの減免を受けられない』といったデメリットも。
申出書(申請書)提出期限
口座振替で納付するには国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書を期限までに提出する必要があります。
■ 申請書提出期限
【2年前納】2月末日まで
【1年前納】2月末日まで
【4~9月分前納】2月末日まで
【10~3月分前納】8月末日まで
【早割】随時受付中
申請書をダウンロードできるページ:国民年金前納割引制度(口座振替 前納)について|日本年金機構
クレジットカードで前納
クレジットカードでも前納することができます。
納付方法は『2年前納・1年前納・6ヶ月前納・毎月納付』の4つ。
2年・1年・6ヶ月なら割引があります。
ただし、口座振替より割引額が小さく、2年で14,500円、1年で3,500円、6ヶ月で800円ほどです(現金納付と同じ)。
毎月だと割引はありません。
しかし、ポイントが付くカードなら、割引分+ポイントでお得です。
仮に還元率1%のカードでポイントが付けば、2年前納で18,000円以上節約できます。
これは、口座振替の2年前納よりも大きい節約額です。
(お持ちのカードがポイント付与対象かどうかはカード会社に確認して下さい)
申出書(申請書)提出期限
クレジットカード納付をするには、国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書を年金事務所に提出する必要があります。
■ 申請書提出期限
【2年前納】2月末日まで
【1年前納】2月末日まで
【4~9月分前納】2月末日まで
【10~3月分前納】8月末日まで
申請書をダウンロードできるページ:国民年金保険料に関する手続き|日本年金機構
実際にクレジットカードで前納してみました。
現金で前納
現金による納付でも、前納すれば割引があります。
現金前納の場合、納付期間は『2~12ヶ月分』あり、割引額もそれぞれ変わります。
■平成26年の場合
やはり1年分(12ヶ月)まとめ払いが最もお得で、3,500円ほど節約に(平成28年は3,460円の割引)。
自分の状況に応じて前納期間を細かく設定できるので便利です。
ただし、前納納付書は全期間分は送付されません。
通常、送付される前納納付書は1年分と半年分(上期と下期)。
それ以外(8月から3月分など)の前納納付書は、年金事務所に電話して別に送ってもらう必要があります。
次からの方法は、電子マネーの『nanaco』を使って間接的に節約する裏技です。
クレジットチャージしたnanacoで払う
国民年金保険料は、セブン-イレブンでも納付できます。
セブン-イレブンでの納付の場合、支払方法は現金かnanaco。
nanacoはクレジットカードでチャージすることもでき、その際クレジットカードのポイントが貯まるカードもあります。
『nanacoにクレジットチャージ(クレカのポイント付与)→ チャージしたnanacoで払う』
こうすれば、間接的にポイントをもらえます。
これなら毎月納付でも、クレジットカードの還元率分お得です。
口座振替などと違い自動引落ではないため、自分のタイミングで納付できます。
ただし、nanacoクレジットチャージでポイントが貯まるカードは限定されています。
クレジットチャージでポイントが貯まるカードとしては、リクルートカード(1.2%、年会費無料)やYahoo! JAPANカードなどがあります。
詳しくは以下の記事で徹底解説しています。
nanacoで前納する
nanacoで前納することもできます。
クレジットチャージしたnanacoで前納すれば、前納の割引+ポイントでさらにお得です。
仮に還元率1%のカードで1年分(約19万円)を前納した場合、1,900ポイントもらえて前納分3,500円安くなるので、5,000円以上節約できます。
ただ、nanaco1枚で支払えるのは10万円まで(nanaco本体に5万まで+センター預かりに5万まで)なので、支払いが10万円を超える場合はもう1枚nanaco(又はモバイルnanaco)が必要になります。
また、nanaco1枚に対してチャージできるクレジットカードも1枚なので、クレジットカードももう1枚必要です。
追記 10万円以上支払う方法がありました!
まとめ
国民年金保険料は支払額が大きいだけに、節約できればお得度も高いです。
前納すれば数千円安くできるので、ある程度余裕があればまとめ払いがお得ですね。
また、前納できなくても、クレジットチャージのnanaco納付にするだけで2,000円ほど節約できます(還元率1%の場合)。
自分に合った納付方法で節約していきましょう。
※ここで紹介した年金保険料や割引額は主に平成28年のものです。現時点での正確な数字は、日本年金機構のホームページ等で確認をお願いします。